『今回の熊本地震の支援体制は、東日本大震災の教訓が活かせただろうか?』
先日、5月7日には「発達障害と生活環境を考える会」定例会議の議題にあげさせてもらいました。
発達障害の方の避難施設での過ごしにくさ、理解されにくさが取りただされた5年前。
その時に作られた各種の支援ガイドラインやハンドブックがあります。
「自閉症の人のための防災・支援ハンドブック」(支援者向け)
http://www.autism.or.jp/bousai/kaitei/siensyayou2012.pdf
懸念していたことは、起きていました。
5月10日付の熊本日日新聞「射程」に掲載された記事によると、支援物資を受け取る列に並べなかったり、また支援する側も並ばない人への配慮まで至らなかったケースがあったそうです。
当事者の方へ情報提供です。
支援の情報は、こちらにあります。
内閣府の避難所の生活環境対策は下記に
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/index.html
発達障害情報・支援センター
http://www.rehab.go.jp/ddis/災害時の発達障害児・者支援について/
資料などはこちらに
http://www.rehab.go.jp/ddis/災害時の発達障害児・者支援について/災害時の支援に役立つ資料/
支援者向けのハンドブックより
発達障害や自閉症の方への支援で、私なりにポイントをまとめました。
* 部分は感想や意見です。
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1)
日頃の備えが特に必要
・落ち着くもの、日常が過ごせるようなグッズ防災グッズに追加
・防災訓練に参加しておくこと→自閉症の理解にもつながるのでは?
・ ネットワークづくりの重要性
地域や施設との連携、関係性を築いておく。
どこに避難し、どうのように支援を受けたらしいのか、誰に連絡するかなど事前確認しておく。
*読み進んで、「危険がわからず、避難すらできない」ということにショックでした。地震モギ体験(起震体験)もしておくと良いとありました。まずは、命を守らないとですね。
2)
自閉症の症状、理解を広めておくこと
*怪我をした時の痛みの伝えにくさ、感じにくさなどがあることは、周囲が気付いてあげられるように、医療関係者以外でも、広く伝えておくべきではないかと思います。
3)
避難所の環境では、居場所づくりが必須
当事者へのアンケート結果は、必要な支援に、「心のケア」(21%)に対し、「居場所づくり」(47%)です。
*研究会としては、この「居場所づくり」に重点的に取り組みたいところです。
特に音環境問題。「静かで、一人になれて、落ち着く」この環境は、自閉症の方だけではなく、赤ちゃんや病気の方にも欲しいところ。避難施設になるところには、緊急時には、どこにその場を確保するか、もしくはブースで作る方法など事前に取り決めておくなど、今後指針を出すべきではないかと思います。以上、簡単なまとめと感想です。
ハンドブックにありましたが、当事者の父親が支援のある環境が復興の一助になるはずと
書かれており、私も同感です。
また、他人が集まる避難施設では、そこで過ごす人の「気」が、
荒れているか穏やかかで随分と過ごしやすさが変わってくるはずです。
「個の過ごしにくさ」を排除することが、大きな意味で多くの方の過ごしやすさに繋がると思います。一般の方にも良いという視点で、「個別性」に焦点を当てることの意味を広く伝えられたらと思います。
最後に、今後の研究会の活動ですが、このように進められたら幸いです。
1)発達障害の当事者へ 地震体験のヒアリング、聞き込み
ケアした先生方も含め。
2)環境整備に必要なことは何かの洗い出し。
3)施設運営者や自治体などへの提言
ができると良いなぁと思います。
一人での活動は難しいので、大学など研究テーマにしてくださる方が
いらっしゃると良いなと声かけ中です。