先々週末の打ち合わせで、古民家再生の基本設計が概ね完了しました。
ご協力いただいている工務店さんや
細かく図面内容をチェックくださる依頼主さまのお陰です。
ありがとうございます!
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改修工事とはいえ、
大まかな設計の流れには、1)基本設計と、2)実施設計があります。
これらは決め事の内容に違いがあるのですが、
打ち合わせでは、それぞれの時点で検討すべき内容も
分け隔てなく打ち合わせます。
一旦、全て吐き出してもらったほうが、依頼主さまの後悔がないからです。
1)基本設計は、概ねの方針、広さや高さ、仕上げなどと法律チェック。
2)実施設計には、電気・設備・構造など、概ね決まった建築の方針にそって、
意匠設計以外の詳細設計をも進めるもの。
その前に、0)事前調査と基本計画
そして工事着手後には、設計者の務めとして、
4)工事監理という仕事があるのです。
実際の設計期間はというと、、、、
実施設計の図面の方がはるかに図面量が多いでの時間がかかります。
大抵の事務所はそこに時間をかけます。
当事務所では、実は基本設計や基本計画が、時間は長くかかります。
それは、ひとつひとつ、依頼主さまと合意を得て進めていくからです。
何事も、手順が大事で、
詳細設計が決まってからの後戻りは大変だからです。
それに、私の経験では、スピードで決めてしまうと、
建主さまがご自身で選択したという実感がわかないからです。
・設計者が勧めたから、、、
・工務店さんが予算だとここまでと言われたから、、、
で、チョイスしてしまうと、、、、
入居後の不平不満が残りがちです。
独立前に、そんな建主さまに何度かお会いました。
せっかくの家づくり、建築づくりなのに、もったいないなぁ、、
と思いました。
ですから、迷いを生じさせるのではなく、自分で優先順位をつけられるように
可能性のある事柄は、なるべく情報提供したいというのが、私の想いです。
それに、基本的な事が決まればあとはサクサク、作図するだけです。
『面倒なようでが、実はそのほうが、後で面倒ではない。』
これが教訓です。
私の仕事ぶりを、同業者に『建築家は、カウンセラーではない』と、
言われたことがあります。よくそこまで細かく対応するわねという話。
確かに、お客様のご要望をあまり聞かないで
デザインと予算で設計される方もおられましょう。
それでも、私は、設計者に求められるのは、
『依頼主の潜在的な欲求を引き出す力』と考え、今日も奮闘しています。
まぁ、設計事務所に依頼される方で、
細かいことを「面倒」と思われる方は少ないので、
私は今日も一緒に、産みの苦しみを、
産みの楽しみに変えていけるのですけれど。