⚫︎尊敬してやまない伝統家屋の凄さ。
震度7という大地震に対して
倒壊を免れた証拠が、床下解体で顕に!
大きく揺れても、シャンと戻る粘り強さが特徴の伝統的な構造。
柱の柱脚には、足固としての土台に変わるものが入っています。
最大で75mmの抜け。現代工法で建て増しした部分でした。
今回の地震で、増築部の破断。
古い部分より地震被害大きく、解体します。
地震力の受け流し方が、増築部分と違うため、
接続部分では大きな被害が生じていました。
床が抜けなかったのが不思議なくらいですが
そこには、ちゃんと昔の大工さんが、
入れてくれていた仕口のホゾが効いてたのです。
よく守ってくれた!ありがたい!
そして、ジョイント部の雨漏れがあったところは、
なんと重要な柱を切断した跡が、、、、。しわ寄せがくるはずですね。
住まいの便利さ、間取り優先のなせる技ですが、
こういった改修は多いのではないでしょうか?
もし、あなたのお宅にこういった場所があれば、
地震時は注意して下さい。
できれば、補強しておいて欲しいですね。
⚫︎地盤を重視して建てたという先先代の先見の明も顕に!
床下の地面は割れて、ややすり鉢状になっていましたが、
束石の倒れや束柱の倒れはゼロ。
地面も歩いてみて、固いこと!
↓束石のサイズもさまざま。しっかりと柱が上に乗っています
↓住まい手に熊本の緑川の玉石と伺いました。
実際に、地震ハザードカルテでは、「ローム層」と固い地盤の場所。
その当時は、解析など出来ない時代。
ご先祖の直感力、自然を見る目は
本当に素晴らしかったのですね〜。
と、依頼主とも休憩時間に話しました。
これから本格的に、地盤調査も行います。
その結果をみながら、どこまで地盤の補強が必要か
あるいは必要がないのか、検討します。
⚫︎地震の動きにどう耐えたのか?
倒れやその方向を計測しました。
実際に受けた地震にどう耐えて、どう動いたかを検討するのは、
大変興味深いものです。地震履歴ですね。
実際の計算値と、動きがあっているか検証します。
卓上論ではない、現実との向き合い。
現場の面白さは、ここにあり!
今日も学ばせてもらっています。