くまもと型復興住宅は、
耐震等級3を取得することが前提です。
平屋の場合は、準じる設計内容で良い
ということになっているのですが
今回2階建てのため、
なかなかに苦労しました。
施工会社さんも、部材がいつもより
ひとまわり大きいという感想。
代理人を立てた地元熊本の設計士も
これだけの金物を使うとは!?
と驚く内容となっています。
建築基準法の内容より、
1.25倍強いというのが数字上ですが
実際、大工さんの手間や内容は
1.5倍くらいだというのが、
10年以上前に私が最初に、耐震等級3の
設計監理をした時の、大工さんの感想です。
ということは、一般的な住まいは
大地震への備えを考えると、不安も残りますね。
阪神大震災の教訓から、耐震基準にはこだわってきた
当事務所ですが、
現場への負担も大きいなぁと思いつつも
やはり、住み手の命を守ることを重要視すると
この苦労(設計では、緻密な設計、審査機関とのやりとり
監理では、施工者さんへの指示や手直し指摘など)
必要なのだろうなぁと、毎回、汗をかいております。
そして、今回は、特に感謝しなければならないのは、
審査機関さんとのやりとりでした。
今回のプロジェクトは、
契約前に、住み手の身体状況が変わり
急遽、間取りを変更しました。
そのため、構造計算もやり直しとなっているのですが
意匠図と構造図の食い違いや、計算書との不正合などが発覚し
急遽、現場への指示出しもありました。
私自身も、構造担当自身も気
がついていなかった箇所があり
もし、ここで審査機関さんにご指摘いただいていなければ
スルーしていたかもしれないと思うと、危ないところでした。
審査の担当は、女性でしたが、細かいところまで
見ていただいて、本当に助かりました。感謝です。
今回の反省。
どうしてこのような事態になったのか、、、
振り返ってみました。
構造担当者とは、長い付き合いです。
小さなミスなどは、人間ですから、だれでも起こります。
しかし、今回の不正合は、何度も打合せてきただけに、
とても残念でした。
思い起こすと、計算の真っ最中に、
実は構造担当者が昨年の台風19号で
ご実家が、被災され、その屋根の修理で
ご自身が怪我をされるなどあり
いろいろなことが、重なり、
それも影響しているのではないか?と思い至りました。
つまり、私が、もっとフォローしなくては
ならなかったということですね。
これからも、油断せず、今回のことを教訓に
信頼しているとはいえ、慣れないにならず、
仕事を続けていきたい所存です。
構造担当、現場の関係者の皆さま、審査機関の皆さまに
感謝いたします。